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長野県小諸市の宗教法人紀元会(舟橋元博代表役員)の会員(信者)らによる女性への集団暴行事件で、小諸署の捜査本部は十五日、傷害致死の疑いで、十代半ばから八十代の法人幹部や信者の女二十一人を逮捕した。捜査本部は暴行の動機や状況などを調べ、事件の全容解明を進める。
逮捕されたのは、同市乙、無職窪田康子容疑者(49)ら、県内や新潟県、茨城県に住むいずれも紀元会の信者。中には小諸市内の女子中学生(15)も含まれるなど、四人が未成年者だった。
調べでは、二十一人は共謀して、先月二十四日深夜から翌日未明にかけ、法人本部施設内で、会員だった小諸市のすし店経営奥野元子さん(63)に殴る、けるの暴行を加え、外傷性ショックで死亡させた疑い。一部は容疑を否認している。
捜査本部は、紀元会の本部施設に女性信者らが集まった席で、会合への出席などをめぐって奥野さんとほかの信者との間にトラブルがあったとみている。
一方、捜査本部による家宅捜索は法人施設など十八カ所にのぼった。血液反応などを調べるとともに、書類などの入った段ボール約二十箱を押収。
十六日以降も引き続き関連施設の家宅捜索を続ける。
また、長野地検は十五日、死亡した奥野さんを信者らと一緒に暴行したとして、傷害致死罪で、夫奥野和宏(35)と長女森久里子(37)の両容疑者を起訴した。二人は容疑を認めている。
『万病治る水』で勧誘
数年前まで入会していたという四十代の元会員男性が十五日、本紙の取材に応じ、宗教法人「紀元会」の活動実態などを証言した。
男性によると、会員たちは「万病に効く」とされる「紀元水」を受け取り、それぞれ三千円から数十万円を奉納した。会員数は最大で約千人にのぼったという。
教義の一つとして、暴力は「人の道に外れる行為」として厳しく戒められていた。それだけに「報道されているようなリンチがあったとは到底信じられない」と驚きを隠さなかった。
紀元会では、日本のあらゆる神々を信仰の対象とし、家族のつながりを重んじて一家で入会するのを原則とした。本部施設には「総裁」や「先生」と呼ばれる三十−四十代の女性がいたという。
男性は、この女性について「当時は『お世継ぎ』という立場だったが、気軽にあいさつに応えてくれる人だった」と話した。
県警の捜査本部が家宅捜索に入った「紀元会総合会館」三階には、儀式殿と呼ばれる部屋があり、受験や新築などには会員たちがコメや塩、果物を供えて祈願した。また、正月や願いごとが成就すると「感謝の気持ちとしてお布施をする慣行だった」と振り返った。