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初公判 検察冒陳,「カルト」実態明らかに
小諸市の宗教法人「紀元会」会員で、すし店経営奥野元子さん(当時63歳)が集団リンチで死亡した事件をめぐる公判が21日、長野地裁で始まった。この日、初公判が開かれたのは、元子さんの二女・森美智子被告(26)夫婦の犯人隠避罪について。検察側は冒頭陳述で、同会を「カルト教団」と表現。首謀者とみる同会創設者の二女、窪田康子被告(49)が暴力で会員を支配していった実態を明らかにした。
■教団の変質
冒頭陳述によると、紀元会は設立後、手かざしによる病気“治療”や、不治の病気を治したと称して「紀元水」を販売するなどして、一時は1万人近い信者を獲得した。しかし、創設者が死亡すると、窪田被告は、後継女性(36)の姉という立場で強引な教団運営を進めたため、信者数は激減。これに対し、「1人が脱会すれば、家族全員が不幸になる」などと脅迫して脱会防止を図ったほか、後継女性から教えを受ける「勉強会」も開始。信者間の結婚を強要し、暴力や虐待を正当化。幹部の会合で忠誠も要求した。
今春ごろからは、勉強会で発言しない会員らを対象に「反省会」を開き、一つの家族を信者で取り囲み、殴り合いやののしり合いをさせた。「人間のクズです」と書かれた段ボールを首から下げさせることもあった。
■「許して下さい」
9月24日の集団リンチに先立ち、窪田被告は施設内の部屋の床の上に座布団を敷き詰めさせ、音が漏れないよう窓にはマットレスを立ててふさがせるなどして準備した。元子さんへの暴行の際、元子さんは「申し訳ありません。許して下さい」などと無抵抗のまま暴行を受けていたという。
元子さんが瀕死(ひんし)の状態となると、窪田被告は森被告らに対し、「口論になり、みんなで手を出したことにすれば不起訴になるから」と、すし店内で暴行があったことにするよう指示。証拠隠滅の一貫として、現場にあった座布団を会員のクリーニング店に運ぶよう指示するなどした。
■すすり泣く二女
この日の公判で、森被告夫婦は、土屋靖之裁判官からの人定質問には、はっきりとした口調で答え、起訴状朗読の間も、直立不動の姿勢で聞いていた。
しかし、検察官の冒頭陳述が始まると、2人はうつむき、伏し目がちに。内容が元子さんの暴行に及ぶと、森被告は肩をふるわせながらすすり泣き、涙をぬぐっていた。
(2007年12月22日 読売新聞)